生涯教育2
◆現代社会の特徴は、あらゆる面での急激な社会変動にある。この社会変動に適応するには再教育、再訓練の必要性が求められる。それが生涯教育化を要求する。従来の学校教育が期待された成果をあげられなかったことにも一因がある。学校が社会的な選抜機構になっている背景もある。また、長寿化や労働時間の短縮が、自由な時間を産みだしここに生涯学習の必要性が出て来た。老年人口(65歳以上)が7%を越えた社会を高齢化社会と呼ぶ。日本でこの一線を越えたのは昭和45年である。高齢化の要因には、第一に出生率の低下が上げられ第二に長寿化があげられる。戦前戦後の社会を比較すると社会環境は激変しているが、最も大きく変わったのは、人生50年社会であっのが、人生80年社会になったことである。近年において、男は60歳で定年を迎えたとしても、80歳までは、20年間の時間が残っている。女も35歳で末子が学齢期に入ったとしても、その後の人生は50年近くもある。第一の人生が、仕事や育児に没頭し、余暇時間が極めて少ない生活であるのに対して、第2の人生は余暇に恵まれた生活である。時間量に換算すると60歳以降の全余暇時間は、約10万時間になる。現代社会の大きな問題の一つは、これら高齢期にまとまって存在する余暇の過ごし方にある。日本人の平均寿命は飛躍的に伸び「人生80年時代」を迎えている。加えて経済の発展や技術革新のお陰で、生活も便利で豊かになり自由時間も増大の傾向にある。また学習の目的や方法も多様化してきた。こうした中で、生きがいや自己実現、心の豊かさを求める人々が増えている。社会の変化に応じた知識を身につけ、職業上の能力を高める。あるいは芸術・文化・スポーツ、ボランティア活動など様々な目的のための学習ニーズが高まっている。人々の学習活動は今後さらに活発化して行くものと考えられる。一人一人が、その個性や能力をのばし、生きがいのある人生を送るため自由な意志に基づいて、自分にあった手段や方法で生涯を通じて行う生涯学習はこうした考えに基づくものである。 ◆生涯教育の推進にさいしては、「いつでも、だれでも、どこでも」という理念がかたられる。老若男女を問わず自由で自主的な学習・文化・スポーツ活動ができることが望まれる。すべての者に差別なく開かれた社会教育の保障と実現こそが今日の課題である。社会の全構成員の多様な学習要求に対応し、またライフサイクル論によって、それぞれの段階に応じた学習課題の分節化、プログラム化も可能であると考えられている。実際の活動では、参加・自治・創造の場をつくる。住民が参加する場があることが必要である。一人一人に学習の自覚が芽生えることが前提条件になる。住民が学習活動に参加していく窓口をつくらなければならない。講座や学級への参加を呼びかけ、関心の触発をする。それには、常に開かれている講座や学級などの場が不可欠である。学習活動の経験が、生活を切り開く力となったと実感され、引き続き自主的な学習活動につながることが必要である。また学習活動を通して、地域住民の人間関係が深まることも課題のひとつである。学習課題の把握、学習内容の組み立て、学習方法の工夫、学習活動の不断の発展が住民の集団形成によって、豊かになされれば、参加を通して学習が育って行く過程のひとつととらえられる。基礎的な学校教育終了後の成人の学習の目的は、既存の文化を受容することにとどまらず、創造的発展の担い手に育成することにある。継続的・系統的学習は、個人の内面の形成とともに主体的判断力を育て、ものごとを解決するための行動力を養う。個人の人間形成が、個人の学習のみによって向上して行くわけではない。他との交流、地域のつながりのなかで、それはより確かなものになって行く。
日本を変える教育
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