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要約筆記は4人セットで行うのが標準になっているようです。1台のOHP(オーバーヘッドプロジェクター)とスクリーンを用意します。OHPを3人で囲みます。一人は書き手、一人はその補助、一人はトランスペアレンシー(ロールフィルム)を引っ張る役目、一人は休憩中。これをグルグル交代しながら書き進めます。

パソコン筆記もやはり4人がそれぞれのパソコンを持ち込んで致します。どうせこれだけの仕掛けを用意するのなら手書きよりも圧倒的に速いスピードで処理して貰いたい。そのためには漢字を止めてカナにしてはどうかというのが私の主張です。カタカナだけでは読みにくいとおっしゃる人のために延々とカナモジエッセイを書き続けているのは御承知の通りです。
さて、手書き要約筆記の話題に戻ります。4人揃えるのは大都会ならいざ知らず田舎では難しいことです。何とか半分の人数でできないものでしょうか。それを鎌倉市の女性だけの難聴者の会「由比の会」が解決したのです。
ここではOHPもスクリーンも使いません。集会場ならどこにでもあるホワイトボードを利用します。一人が書いて一人が休むのではなくて二人して一つの文章を完結させるのです。
一人ではどうしても話しの早さについていけません。その遅れをもう一人がカバーします。タッグマッチです。その呼吸の見事さに見とれてしまいました。とにかく無駄なことは一切書きません。ここを抜かしてはまずいよ…というところはキッチリ書く。正に要約筆記とはかくあるべきものと見ていて驚嘆するばかりでした。
最初は筆記者もOHPを離れてホワイトボードを使うことに抵抗されたそうです。でも、主宰者は自分たちにはこの道しか残されていないのだからと拝み倒して、お互いに工夫しながら時間をかけて今のスタイルを作ってきたとのお話でした。
昨年始めて拝見したときは移動式のホワイトボードを左右に使い分けておられました。当時の感動があまりにも大きくて、つい先日もう一度お邪魔しましたが、今度の部屋はボードが作り付けで2倍に広がるようになっていました。その広さを存分に活かしての伸び伸びした書き方に二度唸らされた次第です。
休憩時間に筆記者のお二人に聞きました。「ここまで呼吸が合うまでどのくらい練習しましたか?」と。「たいして時間はかかりませんでした」との答えです。一度呼吸をつかんだらもう何ともありません。楽ですよ。ただ、高い位置で書いていると腕が疲れます。
立ちっぱなし、交代無しもどうってことはありません。話し手ものべつ幕なしにしゃべっているわけではないので、適当に休みながら書くことも自然に身につきました。
鎌倉市は田舎ではありません。人口17万余の大きな都会です。それでも筆記者を4人揃える難しさを予想して半分でできるシステムを編み出されたことは敬服の他ありません。日本中で真似て頂きたいものです。コロンブスの卵とはこうしたことを指すのでしょう。
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