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補聴器の販売店なら日本国中至る所にあるでしょうが、補聴器以外の様々な聞こえの援助機器を何時でも一通り試せる店と言えば東京都内では私は一店しか知りません。中央線中野駅から程近い(株)ワールドパイオニアという会社がそうです。社員全員が手話ができます。この中の補聴器部に何時しか「ニッコリ補聴器屋さん」という新たな看板が掲げられるようになりました。この店から私宛FAXが入りました。 「北千住みみ・はな・のどクリニック」と業務提携のお知らせです。手話ができる医師が親身に補聴器の相談に乗ってくださるので御宣伝願います、とのことです。 インターネットで検索してみますと「みみ・はな・のどクリニック」と言う名の医院は日本中に数カ所あります。チェーン組織になっているのか、あるいは何かしら共通の理念の元に判りやすい名を共用されているのかまでは知りませんが「北千住クリニック」に関しては「風邪が得意」とはっきりホームページに書かれているのに驚きました。
さて、すこし風邪の話をさせて下さい。
インターネットで「風邪の治し方」などを検索すると野口晴哉(ノグチ・ハルチカ)氏の「風邪の効用」という名著が紹介されています。「聴力改善への道」でもお世話になった野口式整体道場の創始者が書かれた本です。昔丁寧に読んだものですが最近文庫になりましたので皆さんも一度は読んで見て下さい。病気とは何ぞ?思想書です、これは。 年をとるとアチコチで@転ぶなA風邪引くなB義理を欠け、と聞かされます。野口先生は「風邪も引けなくなったら危ないよ」だから「風邪は上手に引きなさい」と勧めるのです。風邪を信号機と考えましょう。信号を見過ごすと大病が身近に迫っているのに気がつかず大事に至ります。
私は「ああ、これは親父のことだな」と思いつつ読んでいました。私の父は風邪一つ引かない人でした。薬草に詳しくて縁側の天井に自分で集めてきたゲンノショウコとかセンブリなどを大量に陰干しにしていました。単に我慢強いだけで、どこか不調があっても自ら調合した薬草で抑えこんでいたに過ぎないのかも知れませんが、とにかく親父が弱音を吐いたり寝込んだりした姿を見た覚えがありません。 直後に医師団が言うには「直ぐ解剖させて欲しい」と。X線写真で見るところ、これほど一面に進行する2ケ月前まで自覚症状がゼロだったのは何故だろう? そして最後まで苦しみらしい苦しみを全く見せなかったのは何故だろう?
親父の年を一つだけオーバーした今私は考えるのです。確かに親父は風邪も引けない人だった。だから癌の入り口にも気がつかず、気がついたときは手遅れ中の手遅れだった。ただ、この手遅れが彼にとって不幸なことだったかどうかは別問題だ…と。
世の中は矛盾に満ち満ちています。「カゼ引くな」も真理ならば「上手にカゼを引け」もこの上ない教訓なのでしょう。できるものなら風邪も引かずに親父のように見事に死にたいが、親父は丈夫な肝臓というDNAを倅達にも孫達にも残してくれましたが風邪対策までには手が回らなかったようです。 私は生来ナマケモノなので「上手に引く」ことの勉強をさておき「風邪のことなら任せなさい」と言い切って下さる頼もしい先生を捕まえる方を先にしました。その意味で早速「北千住みみ・のど・はなクリニック」に偵察に行きました。手話ができて親身に補聴器の相談に乗ってくれる医師とはどんな人か…我々のホームページのためにも知りたかったこともあるし。
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