前回は首掛け式のループを作りました。世間ではタイループと呼んでいますが、もしかしたらどこかの会社の登録済みの商標かも知れません。そんなら無断借用で訴えられる前にお詫びしておく必要がありますね。
お詫びついでにシルエットコイル(これも多分に登録済みの商品名臭い名前です)と同等の働きをするものをこれから紹介することにします。
町で売られているシルエットコイルは耳掛け式補聴器の肉をうんと薄くしたような形をしています。太い針金状のものもできています。
中にコイルが入っていて、これを補聴器とダブルにして耳にかけると補聴器の中のテレホンコイルと相互誘導を起こして(補聴器の中のアンプでエネルギーが大きくなって)イアホンから音として聞こえるのです。これを作ってみましょう。
写真が二枚あります。一枚には0211で紹介したチョークコイルとこれを小さくしたような部品が二つ写っています。この二つを秋葉原では[インダクター}と呼んでいますが意味は[コイル]と全く同じです。鉄芯が入った物を[チョークコイル}と区別しているだけのことでしょう。

この三つのどれでもOKですから386とか380アンプの出力端子に繋いで、補聴器の切り替えスイッチをTにしてから、補聴器の上を静かになぞってみて下さい。
音量が最大になるポイントがあります。その真下に内蔵コイルが仕込んであるのです。
そのポイントに粘着テープで留めれば一丁上がり。これで5〜6千円もするシルエットコイルと同等のものができます。
いくらなんでもこれではみっともないよ、と思われる人は次の写真を御覧下さい。品物が3段に並んでいます。一番上はシリコンチューブをかぶせて耳に引っ掛けるようにした状態。下の二つは中身です。真ん中のは2.2Ωの金属皮膜抵抗が8個直列に繋いであります。一番下のは原理として同じことですが4Ωを4個繋いでいます。
補聴器の中のコイルの一番探るのは面倒なもので、このような作りにしておくとどんな掛け方をしても必ず聞こえてくれます。
何故抵抗なんだ?コイルと違うじゃないか、と言われそうなので説明しましょう。抵抗にも色々ありましてカーボン抵抗とか金属皮膜抵抗の類は硬い皮膜の上に溝を切って作ります。
外形は同じなのに数Ωから数MΩ(メグオームと呼んで100万Ωのこと。メグとは電気屋の仲間内の言葉でメガと同じ)の違いができるかは溝切りの数によります。粗っぽく切れば数Ωになるし、きめ細かに切れば100万Ωにもなるのです。
溝は螺旋状に切りますから残った部分はコイルの形をしているわけですね。ですからこの種の抵抗は抵抗であると同時にコイルの性格も合わせて持っているということができます。
次になんで何個も繋ぐのか?ということ。一点集中ならインダクターがありますが、耳の周りの広い範囲で大雑把に磁気を出したいときはある長さが必要だし自由に曲がってくれないと不便だからです。
合計約16Ωというのは、パワーアンプキットの出力インピーダンスが大体Ωから16Ωの範囲にあるからです。アンプの指定負荷に対してこれと結ぶループの値が大きすぎると能率が悪くなる、つまり小さな音しか出ません。逆に小さすぎると大きな電流が流れすぎてICを痛めてしまう。このことは前に書きましたね。
では皆さん試してみて下さい。いい気になって曲げ伸ばしするとハンダ付けした部分が折れますから御注意。格安で作っただけ取り扱いには神経を使わなきゃなりませんよ。
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